121 開発課題へのヒント
以下に,3つの開発課題についてヒントや考えられることを示す.
■(1)共振回路の$ f特性
$ LCR直列回路の基礎知識:
詳しい数式は▼▼
共振回路特性としてほしい値:$ 共振周波数f_0,回路Q_o,半値全幅\Delta f
※すべて計測可能
$ L,C,R等から上の値を算出「推定」可能 → 比較すれば計測精度が明確に
※「測定可能な値」と「算出・推定可能な値」の両方を確実に出す.
※測定値も算出値も,グループで共有し,一致させること.
★ポイント★この課題に必要なアウトプットは何か?
■(2)Q値を100倍にする
これは途方もない要求のように思えるかも知れない.しかも,模範解答は存在しない.グループで自由にアイデアを出し,まとめ,企画を提案してほしい.
アイデアを出し合う
実現可能性の高さを考慮してアイデアをしぼり具体化
→ まずどんな実験?
→ それをどう検証する?
→ 道具は?材料は?回路は?
→ 実験手順は?
※できる範囲で仮の実験をやってみるのもよい
★ポイント★この課題に必要なアウトプットは何か?
◆注意◆
必要なパーツがあればTA・教員に相談
提出するレポートは個人で作成する
アイデアやその検討は十分出し合うのがよいが,この課題(2)については, 必ずしもグループ内で一致している必要はない.自分だけで考えたことでもよい.
※他の班とは共有せず,ヒント
■(3)実験系の精度
「精度」とは何か.そして具体的にどの値を出せばよいのかを考える.プロローグで触れていたヒント (2)『条件はシンプルからはじめる』を思い出そう.
※精度を厳密に考えると定義は難しい.一言で言えば理論/理想に対する測定系の誤差レベル
a. 実験系は測定という側面で分けると「測定系」と「被測定系」がある.「実験系の精度」と言う場合,両方の精度をトータルで捉える必要がある.
→ 確認するべきことは2つ.
(b)回路の素子の精度
b. 次に「精度」というのは具体的にどういう値か?
→ ここでは「誤差の最大範囲」と考えてよいだろう.
→ 上記(a)と(b)について,誤差の範囲を調べる?.
c. 何の誤差を調べるのか?
→ 実験系全要素:実験機器・信号源,回路素子の全て
→ 実験系・回路図を検討し,要素をリストアップ
d. 直接測定可能な要素と不可能な要素がある.
$ C,Lは直接計測困難,$ Rは測定容易:$ Cはどうする?$ Lは?
※$ C,Lが測定可能なテスタはLCRメータと呼ばれる(ただし測定条件は限定的)
→ 「測定可能なものから推定」する → シンプルな$ RC回路を試す
※一つ一つの誤差は,最終的に$ LCR直列回路全体の誤差(精度)になる.
★ポイント★この課題に必要なアウトプットは何か?
RC実験のグラフか?
どんなデータを揃える必要があるか?
よくよくよく皆で考えること!!
以上.
2024/4/2